減量期間中に少量の食事で満腹感を得る方法

少量の食事で満腹感を得る方法には

摂取する食材によるものと摂食方法によるものがある


■ 摂取する食材によるもの

 摂取する食材によるものには食物繊維を多く含むを食材を摂る方法とヒスチジンを多く含む食材を摂る方法がある。

 ● 食物繊維を多く含む食材を摂る方法

  食物繊維(しょくもつせんい)とは、人の消化酵素によって消化されない、食物に含まれている難消化性成分の総称である。

  大きく水溶性食物繊維 (SDF : soluble dietary fiber)と不溶性食物繊維 (IDF : insoluble dietary fiber)に分けられる。

  水溶性食物繊維は胃で膨潤することで食塊を大きくし、粘性を上げ、胃内の滞留時間を延ばし満腹感を与え、不溶性食物繊維は食物の咀嚼回数を増加させ唾液や胃液の分泌を促し食塊を大きくすることで効果を現す。

 ● ヒスチジンを多く含む食材を摂る方法

  ヒスチジンを多く含む食材を摂る。

ヒスチジンから変化したヒスタミンが後部視床下部に位置する結節乳頭核(tuberomammillary nucleus;TMN)に限局して存在するヒスタミンニューロンの細胞体より視床下部腹内側核(飽満中枢もしくは満腹中枢とも呼ばれる)へ神経投射される事により満腹感を創出し過食を防ぐ事が明らかになっている。

  ヒスチジンを多く含む食材には、カジキマグロ、マグロ、サバ、イワシ、アジ、サンマなどの刺身・干物、かつおだし、鶏肉、ハム、チェダーチーズ、ドライミルクなどがある。


■ 摂食方法によるもの

 摂食方法によるものには咀嚼を行う方法と食物繊維をはじめに摂る方法がある

 ● 咀嚼を行う方法

  視床下部腹内側核(飽満中枢もしくは満腹中枢とも呼ばれる)や交感神経を刺激し、満腹感を生み出すホルモンは分泌されるまでに、ある程度の時間を伴う。

  咀嚼を行う事で、時間をかけて摂食する事となり、少量の摂食にて満腹感を生み出すホルモンを分泌させる事となる。

 ● 食物繊維をはじめに摂る方法

  摂食により血糖値が上昇すると視床下部腹内側核(飽満中枢もしくは満腹中枢とも呼ばれる)が刺激され、食欲が抑えられる。

  しかし、急激に血糖値が高くなるとそれを抑えようとインスリンが大量に分泌され血糖値が下がる為、空腹感が生じ満腹感が得られない。

  満腹感を得るには血糖値を急激にではなく徐々に上げ、インスリンを過剰に分泌させないようにする事で満腹感を得ることがでる。

  その方法として、食物繊維をはじめに摂ることで血糖値が急激に上がるのを抑える事ができる。

  水溶性食物繊維は粘度の高い溶液をつくり、胃から小腸への食物の移行を緩やかにする。

  また、拡散阻害作用、吸水・膨潤作用、吸着作用などがあり、摂取した食物は胃で消化され、緩やかに移行し、吸着され、吸収速度が緩慢となる結果、グルコースの吸収を緩慢にして血糖値の上昇を抑える事ができる。

■ 減量期間における空腹感の制御