減量理論

減量理論では、「 減量による実際の体重の変化 」を支配する法則を、数値的に明らかにする。

■ 諸元入力 【 性別・年齢・身長・現在の体重 】

 ※当該箇所を選択若しくは半角にて数値入力。

性別

男性 女性

年齢

 歳 

身長

 cm = m ・・・(1)

現在の体重

 kg ・・・(2)

■ 適正体重の算出

ボディマス指数【BMI (Body Mass Index)】より適正体重を算出する。

ボディマス指数【BMI (Body Mass Index)】とは、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数である。

体重(kg)、身長(m)の人のBMIは、

BMI=体重(kg)÷【身長(m)×身長(m)】

で表される。

また、

統計上、【BMI (Body Mass Index)】法によって BMI=22 となるとき、高血圧、高脂血症、肝障害、耐糖能異常等の有病率が最も低くなるとされている。

このときの体重を

適正体重

とすると

適正体重は

BMI=体重(kg)÷【身長(m)×身長(m)】

22=適正体重(kg)÷【身長(m)×身長(m)】

22=適正体重(kg)÷【身長(m)×身長(m)】

22×【身長(m)×身長(m)】=適正体重(kg)

【身長(m)×身長(m)】×22=適正体重(kg)

身長(m)×身長(m)×22=適正体重(kg)

 m  ×  m  × 22 =  kg ≒  kg  ・・・(3)

■ 減量すべき体重

減量すべき体重を

現在の体重-適正体重

とすると

(2)-(3)

 kg  -  kg  =  kg  ・・・(4)

■ 減量すべき体重のエネルギー量(消費しなければならないエネルギー量)

「脂質の単位重量当たりの物理的燃焼値」が

9.45 kcal/g

であるから

体脂肪1kgを減少させるために必要な消費カロリーは

9,450kcal

となる。

一般には、栄養素ごとの消化吸収率を考慮した「生理的燃焼値」

脂質1g=9kcal(アトウォーター係数)

が知られているが、消化吸収率を考慮する必要がないため、「物理的燃焼値」を用いる。

しかし、

「体重減少のうち体脂肪の減少が占める割合」には大きなばらつきがあり、標準的には体重減少の4分の3程度が体脂肪である。(Forbes, 1986)

残りの除脂肪(=体重-体脂肪量)の割合は、蛋白質が約20%、水分が約80%であるので、体脂肪と除脂肪が3:1の比で減少する場合、体重減少1kgのエネルギーコストは

体脂肪と除脂肪が3:1の比で体重1kg減少する場合

=体脂肪(1kg)×3/4+除脂肪(1kg)×1/4

=(9.45×1000)×3/4+(5,65×1000×20%+0×1000×80%)×1/4

=9,450×3/4+(5,650×20%)×1/4

=9,450×0.75+(5,650×20%)×0.25

=7,370kcal

※脂質の単位重量当たりの物理的燃焼値は9.45 kcal/g
 蛋白質の単位重量当たりの物理的燃焼値は5.65 kcal/g
 水の単位重量当たりの物理的燃焼値は0kcal/g
 1(kg)=1000(g)

と推定できる。

上記はおよその仮定に基づいているので、約7,000kcalと考えてよい。

厚生労働省が策定した「健康づくりのための運動指針2006」においても、体重を1kg 減少させるためには7000kcalを消費しなければならないと定められている。

よって

減量すべき体重のエネルギー量(消費しなければならないエネルギー量)は

(4)×7000kcal

 kg  × 7000kcal/kg= kcal  ・・・(5)

■ 目標体重までの減量期間

 日  ・・・(6)

■ 減量期間一日あたりに減らさなければならないエネルギー量

減量期間一日あたりに減らさなければならないエネルギー量=減量すべき体重のエネルギー量(消費しなければならないエネルギー量) ÷ 目標体重までの減量期間

減量期間一日あたりに減らさなければならないエネルギー量= kcal  ÷  日 =  kcal/日 ≒  kcal/日  ・・・(7)

■ 一日に必要な推定エネルギー量

減量を行うにあたり、食事制限による減量・生活活動及び身体活動による減量、何れの場合においても

「 摂取カロリー <  消費カロリー 」

の状態を継続することで蓄積したエネルギー量が消費される。

そこで先ず、

推定エネルギー必要量(エネルギー出納が0(ゼロ)となる確率が最も高くなると推定される習慣的な1日あたりのエネルギー摂取量 )

※cf

 エネルギー出納:成人の場合、エネルギー摂取量 - エネルギー消費量

を把握しなければならない。

一日に必要な推定エネルギー量は

一日に必要な推定エネルギー量=基礎代謝量(kcal/日) × 身体活動レベル

で求められる。

上記数式において

基礎代謝量は

基礎代謝=〔0.1238+0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢(歳)-定数(男性:0.5473、女性:0.5473×2)〕×1000/4.186

基礎代謝=〔0.1238 + 0.0481 ×  kg  + 0.0234 ×  cm -0.0138 ×  歳  - 〕 × 1000/4.186 =  kcal/日 ≒  kcal/日  ・・・(8)

で求められる。

※国立健康・栄養研究所(Ganpule et al., 2007)

※cf

基礎代謝=〔0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢(歳)-定数(男性:(0.1238‐0.5473)、女性:(0.1238‐(0.5437×2))〕×1000/4.186

基礎代謝=〔0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢(歳)-定数(男性:0.4235、女性:0.9708)〕×1000/4.186


身体活動レベルは下記の表より求められる。

レベルⅠ生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
レベルⅡ座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合
レベルⅢ移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合

年齢(歳)身体活動レベル
レベル I(低い)レベル II(ふつう)レベル III(高い)
1-2-1.35-
3-5-1.45-
6-71.351.551.75
8-91.401.601.80
10-111.451.651.85
12-141.451.651.85
15-171.551.751.95
18-291.501.752.00
30-491.501.752.00
50-691.501.752.00
70以上1.451.751.95

身体活動レベル=

よって、一日に必要な推定エネルギー量は

推定エネルギー必要量=基礎代謝量(kcal/日) × 身体活動レベル

一日に必要な推定エネルギー量= kcal/日  ×  =  kcal/日 ≒  kcal/日  ・・・(9)

■ 減量期間一日あたりに摂取してよいエネルギー量

減量期間一日あたりに摂取してよいエネルギー量は

推定エネルギー必要量(エネルギー出納が0(ゼロ)となる確率が最も高くなると推定される習慣的な1日あたりのエネルギー摂取量 )

から

減量期間一日あたりに減らさなければならないエネルギー量

を差し引いた値となる。

減量期間一日あたりに摂取してよいエネルギー量=一日に必要な推定エネルギー量-減量期間一日あたりに減らさなければならないエネルギー量

減量期間一日あたりに摂取してよいエネルギー量= kcal/日  -  kcal/日  =  kcal/日  ・・・(10)


■ 減量期間一日あたりに減らさなければならないエネルギー量を食事制限で減らす場合

■ 減量期間一日あたりに減らさなければならないエネルギー量を身体活動(生活活動及び運動)で減らす場合