エムデン・マイエルホーフ経路

エムデン・マイエルホーフ経路[英 Embden-Meyerhof pathway 独 Embden-Meyerhofsche Bahn]⦅嫌気的解糖[anaerobic glycolysis]⦆

嫌気的解糖の主要な反応経路で、グルコースからヘキソース二リン酸、トリオ―スリン酸を経てピルビン酸が生成される経路である。

グリコゲンが分解されてグルコース-6-リン酸となり、以後同一の代謝経路を経てピルビン酸に至るまでの過程もエムデン・マイエルホーフ経路と呼ばれることもあるが、グリコゲンからグルコース-6-リン酸までの部分はグリコゲン分解と呼び、個別の扱いを受ける。

嫌気的解糖とはこれらの反応にピルビン酸が還元されて乳酸を生成する反応段階が付加したものとみてよい。

12の素反応からなり、グルコース→グルコース-6-リン酸→フルクトース-6-リン酸→フルクトース1、6-二リン酸→三炭糖リン酸(グリセロアルデヒド-3-リン酸+ジオキシアセトリン酸)→グリセリン1、3-二リン酸→3-リングリセリン酸→2-リングリセリン酸→リンエノールピルビン酸→ピルビン酸の経路をとる。

この代謝経路は生物に非常に普遍的にみられ、糖代謝の無酸素的分解の諸反応はこれを根幹としている。

反応は可逆的であるが関与する酵素や反応形式はグルコース-グルコース-6-リン酸、フルクトース-1、6-二リン酸-トリオースリン酸およびリンエノールピルビン酸-ピルビン酸の3段階が異にする。