好気的解糖

好気的解糖［英 aerobic glycolysis　独 aerobe Glykolyse　仏 glycolyse ae′robie］

多くの細胞は好気的状態（呼吸状態）では、Pasteur効果によって、乳酸またはエタノールの生成はほとんどないが、腫瘍細胞や傷害された細胞は好気的状態でも大量の乳酸を生成する。

これを好気的解糖と呼びWarburgは腫瘍細胞の特徴と考え、腫瘍化についての学説を展開した。

しかし正常細胞でも顆粒白血球のように好気的解糖を示す細胞があることや腫瘍細胞でも好気的解糖の低い minimum deviation hepatoma のあることから、今日では腫瘍細胞に特有のものとは見なされていない。

好気的解糖という言葉はこのほかに、嫌気的解糖と対応して広義に用いることがある。

これはグルコースが完全に分解して、CO2と水になる過程で、ピルビン酸はピルビン酸デヒドロゲナーゼによってアセチルCoAとなってTCAサイクルに入る。