減量計画の作成

減量を行う際には、1ヵ月に5%以内の減量に留める事が肝要である。

その為、減量計画は1ヵ月毎に立て直さなければならない。

1ヵ月に5%の減量を行う場合を以下に示す。

 ※当該箇所を選択若しくは半角にて数値入力。

■ 諸元入力 【 性別・年齢・身長・現在の体重 】

性別

男性 女性

年齢

 歳 

身長

 cm =  m ・・・(1)

現在の体重

 kg ・・・(2)

■ 1ヵ月に5%の減量を行う為に減らすべき体重

1ヵ月に5%の減量を行う為に減らすべき体重は現在の体重の5%であるから

1ヵ月に5%の減量を行う為に減らすべき体重 = 現在の体重×0.05

 kg  × 0.05 =  kg ≒  kg  ・・・(3)

■ 1ヵ月に5%の減量を行う為に減らすべき体重のエネルギー量(消費しなければならないエネルギー量)

「脂質の単位重量当たりの物理的燃焼値」が

9.45 kcal/g

であるから

体脂肪1kgを減少させるために必要な消費カロリーは

9,450kcal

となる。

一般には、栄養素ごとの消化吸収率を考慮した「生理的燃焼値」

脂質1g=9kcal(アトウォーター係数)

が知られているが、消化吸収率を考慮する必要がないため、「物理的燃焼値」を用いる。

しかし、

「体重減少のうち体脂肪の減少が占める割合」には大きなばらつきがあり、標準的には体重減少の4分の3程度が体脂肪である。(Forbes, 1986)

残りの除脂肪(=体重-体脂肪量)の割合は、蛋白質が約20%、水分が約80%であるので、体脂肪と除脂肪が3:1の比で減少する場合、体重減少1kgのエネルギーコストは

体脂肪と除脂肪が3:1の比で体重1kg減少する場合

=体脂肪(1kg)×3/4+除脂肪(1kg)×1/4

=(9.45×1000)×3/4+(5,65×1000×20%+0×1000×80%)×1/4

=9,450×3/4+(5,650×20%)×1/4

=9,450×0.75+(5,650×20%)×0.25

=7,370kcal

※脂質の単位重量当たりの物理的燃焼値は9.45 kcal/g
 蛋白質の単位重量当たりの物理的燃焼値は5.65 kcal/g
 水の単位重量当たりの物理的燃焼値は0kcal/g
 1(kg)=1000(g)

と推定できる。

上記はおよその仮定に基づいているので、約7,000kcalと考えてよい。

厚生労働省が策定した「健康づくりのための運動指針2006」においても、体重を1kg 減少させるためには7000kcalを消費しなければならないと定められている。

よって

1ヵ月に5%の減量を行う為に減らすべき体重のエネルギー量(消費しなければならないエネルギー量)は

(3)×7000kcal

 kg  × 7000kcal/kg =  kcal  ・・・(4)

■ 一ヶ月の日数

 日  ・・・(5)

■ 1ヵ月に5%の減量を行う為に一日あたりに減らさなければならないエネルギー量

1ヵ月に5%の減量を行う為に一日あたりに減らさなければならないエネルギー量=1ヵ月に5%の減量を行う為に減らすべき体重のエネルギー量(消費しなければならないエネルギー量) ÷ 一ヶ月の日数

1ヵ月に5%の減量を行う為に一日あたりに減らさなければならないエネルギー量= kcal  ÷  日 =  kcal/日 =  kcal/日  ・・・(6)

■ 一日に必要な推定エネルギー量

減量を行うにあたり、食事制限による減量・生活活動及び身体活動による減量、何れの場合においても

「 摂取カロリー <  消費カロリー 」

の状態を継続することで蓄積したエネルギー量が消費される。

そこで先ず、

推定エネルギー必要量(エネルギー出納が0(ゼロ)となる確率が最も高くなると推定される習慣的な1日あたりのエネルギー摂取量 )

※cf

 エネルギー出納:成人の場合、エネルギー摂取量 - エネルギー消費量

を把握しなければならない。

一日に必要な推定エネルギー量は

一日に必要な推定エネルギー量=基礎代謝量(kcal/日) × 身体活動レベル

で求められる。

上記数式において

基礎代謝量は

基礎代謝=〔0.1238+0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢(歳)-定数(男性:0.5473、女性:0.5473×2)〕×1000/4.186

基礎代謝=〔0.1238 + 0.0481 ×  kg  + 0.0234 ×  cm -0.0138 ×  歳  - 〕 × 1000/4.186 =  kcal/日 ≒  kcal/日  ・・・(7)

で求められる。

※国立健康・栄養研究所(Ganpule et al., 2007)

※cf

基礎代謝=〔0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢(歳)-定数(男性:(0.1238‐0.5473)、女性:(0.1238‐(0.5437×2))〕×1000/4.186

基礎代謝=〔0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢(歳)-定数(男性:0.4235、女性:0.9708)〕×1000/4.186


身体活動レベルは下記の表より求められる。

レベルⅠ生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
レベルⅡ座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合
レベルⅢ移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合

年齢(歳)身体活動レベル
レベル I(低い)レベル II(ふつう)レベル III(高い)
1-2-1.35-
3-5-1.45-
6-71.351.551.75
8-91.401.601.80
10-111.451.651.85
12-141.451.651.85
15-171.551.751.95
18-291.501.752.00
30-491.501.752.00
50-691.501.752.00
70以上1.451.751.95

身体活動レベル=

よって、一日に必要な推定エネルギー量は

推定エネルギー必要量=基礎代謝量(kcal/日) × 身体活動レベル

一日に必要な推定エネルギー量= kcal/日  ×  =  kcal/日 ≒  kcal/日  ・・・(8)

■ 1ヵ月に5%の減量を行う為に一日あたりに摂取してよいエネルギー量

減量期間一日あたりに摂取してよいエネルギー量は

推定エネルギー必要量(エネルギー出納が0(ゼロ)となる確率が最も高くなると推定される習慣的な1日あたりのエネルギー摂取量 )

から

減量期間一日あたりに減らさなければならないエネルギー量

を差し引いた値となる。

1ヵ月に5%の減量を行う為に一日あたりに摂取してよいエネルギー量=一日に必要な推定エネルギー量-減量期間一日あたりに減らさなければならないエネルギー量

1ヵ月に5%の減量を行う為に一日あたりに摂取してよいエネルギー量= kcal/日  -  kcal/日  =  kcal/日  ・・・(9)


■ 減量期間一日あたりに減らさなければならないエネルギー量を食事制限で減らす場合

■ 減量期間一日あたりに減らさなければならないエネルギー量を身体活動(生活活動及び運動)で減らす場合