食事誘発性熱産生

食事をした後、安静にしていても代謝量が増大すること。

食事を摂ると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費される。

このため食事をした後は、安静にしていても代謝量が増える。

この代謝の増加を食事誘発性熱産生(DIT: Diet Induced Thermogenesis)または特異動的作用(SDA: Specific Dynamic Action)という。

食事誘発性熱産生でどれくらいエネルギーを消費するかは栄養素の種類によって異なる。

たんぱく質のみを摂取したときは摂取エネルギーの約30%、糖質のみの場合は約6%、脂質のみの場合は約4%で、通常の食事はこれらの混合なので約10%程度になる。

食事をした後、身体が暖かくなるのはこの食事誘発性熱産生によるものである。

加齢や運動不足で筋肉が衰えると、基礎代謝が低下するだけでなく食事誘発性熱産生も低下する。

逆にトレーニングで筋肉を増やすと食事誘発性熱産生は高くなるとされている。

また食事の摂り方としてよく噛まずに飲み込んだり、流動食だけを摂る場合に比べると、よく噛んで食べる方が食事誘発性熱産生は高くなるといわれている。